公衆衛生学

4 環境衛生

8 調理師の職場環境

 調理場の構造や、換気、採光、照明などの作業環境については、都道府県条例で決められている。調理施設で最も発生しやすい労働災害は転倒です。

1 厨房環境

 厨房の環境基準は全国同一ではありませんが、食品衛生法に基づき都道府県条例で決められています。飲食店営業許可申請基準はおおむね以下のようです。

 ① 面積:取扱量に応じた広さを有すること。
 ② 床:調理場の床は耐水性材料(タイルやコンクリート)を使用し、排水が良く、清掃しやすい構造であること。客室においては木床でも問題ない。
 ③ 内壁:調理場の内壁は、床から1m程度の高さまでは、耐水性材料または厚版で腰張りし、清掃しやすい構造であること。
 ④ 照明:施設の中が暗すぎてはならず、作業場(調理場)の明るさが50ルックス以上でなければならない。客席の明るさは10ルックス以上。
 ⑤ 換気:施設には、ばい煙、蒸気等の排除設備を設けること。
 ⑥ 防鼠・防虫:施設は、そ族(ネズミ)、昆虫等の防除のための設備を設けること。
 ⑦ 更衣室:従事者の数に応じた清潔な更衣室または更衣箱を作業場外に設けること。
 ⑧ 天井:施設の天井は、清掃しやすい構造であること。
 ⑨ 建物:建物は、鉄筋、鉄筋コンクリート、石材、木造モルタル、木造等十分な耐久性を有する構造であること。
 ⑩ 洗浄:原材料、食品及び器具等の洗浄設備、手洗い設備、その他、食品取り扱い設備や治水及び汚物処理に基準が設けられている。

2 厨房での労働災害

 飲食店における労働災害は、平成21年から年々増加しています。災害が発生している時間帯は9~12時(22%)、18~20時(18%)が多い状況です。経験年数が3年未満の災害が全体の58%と、約6割を占めています。転倒災害は9~11時に多く発生しており、50歳以上の災害が約6割を占め年々増加傾向にあるため、高年齢者で多発しているといえます。これらは整理整頓清掃清潔の4S(しつけを加えて5Sとする場合もあります)を徹底することで未然に防ぐことができます。