2 健康の概念
1 健康の定義
WHO(世界保健機構)憲章(1946年)では、健康の定義を「単に疾病や虚弱でないということではなく、肉体的・精神的並びに社会的に完全に良好な状態である」としている。しかも、差別なしに万人が有する基本的人権であり、平和と安全を達成するための基礎としている。
2 プライマリー・ヘルス・ケア(PHC)
1978年のアルマ・アタ宣言においてWHO(世界保健機関)とUNICEF(国際連合児童基金)が提唱した。「すべての人に健康を」を基本理念とした総合的な保健医療活動であり、疾病の治療や予防、健康の保持・増進のために最も基本となる保健医療サービスをさします。この基本理念は、住民の主体性を重視するとともに、身近で、適切な健康支援を総合的に行うものです。
活動の5原則
①ニーズ指向性のある活動②住民の主体的活動
③地域資源の有効利用
④関連領域の協力・連携
⑤適正技術の使用
3 ヘルスプロモーション
WHO(世界保健機関)が1986年のオタワ憲章において提唱した新しい健康観に基づく健康戦略です。「人々が自らの健康をコントロールし、改善することができるようにするプロセス」と定義されており、「健康」は理想的な目標というよりはQOL(Quality Of Life・生活の質)を維持・向上するための資質であると考えられます。
5つの活動
①健全(健康的)な公共政策づくり(例:公共の場での分煙活動)②健康を支援する環境づくり(例:食品の栄養成分表示)
③地域活動の強化(例:地域住民への健康教育・栄養教育)
④個人技術の向上・強化(例:家庭で使用できる医療機器の開発)
⑤ヘルスサービスの内容の刷新(方向転換)(例:二次予防から一次予防)
4 わが国の食と病気
わが国では、食生活の変化にともなって、生活慣習病にかかる人が増えています。
●メタボリックシンドローム
内臓脂肪型肥満に加えて、高血圧、高血糖、脂質異常のうちのいずれか2つ以上を併せもった状態をメタボリックシンドロームといいます。内臓脂肪型肥満を測るのはウェストサイズ(腹囲)で、男性85cm、女性90cm以上を要注意としています。
●生活慣習病
偏食、運動不足、喫煙、ストレスなど、ふだんの生活償還が発病や進行と深く関わっている病気をいいます。40歳以上の人に起こりやすく、一般に3大生活慣習病といわれるのが、悪性新生物(がん)、心疾患(心臓病)、脳血管疾患(脳卒中)です。また、脂質異常症、高血圧症、糖尿病、肥満症も生活慣習病で、「死の四重奏」とも呼ばれます。ほうっておくと体内で動脈硬化が進行し、心疾患や脳血管疾患を引き起こし死にいたる危険があります。わが国の死因のトップ3は、①悪性新生物、②心疾患、③老衰でした。糖尿病、高血圧を含めると、死因の約60%以上を生活慣習病が占めていることとなります。
●特定健康診査
2008年4月から40~74歳の保険加入者を対象として全国の市町村で導入された健康診断で、特定健診やメタボ健診などと呼ばれています。該当者及び予備群を減少させるための特定保健指導を必要する者を、的確に抽出するために行っています。