公衆衛生学

1 公衆衛生の概念

1 公衆衛生とは

1 ウインスローの定義

 公衆衛生の定義で最も広く認められているのは,ウインスロー教授の定義である。アメリカのエール大学ウインスロー教授は、1949年に「公衆衛生とは,地域社会の組織的な努力により疾病を予防し,生命を延長し肉体的・精神的健康と能率の増進をはかる科学であり,技術である。」と定義づけている。

2 WHO憲章(世界保健機関)の定義

 「健康とは、肉体的精神的及び社会的に完全に良好な状態であり、単に疾病又は病弱の存在しないことではない。」「最高の健康水準を授受することは、人種、政治的信条、経済状態などを問わず、すべての人間の基本的な権利である。」と定義している。

3 日本国憲法第25条

 第1項 「すべて国民は、健康文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。」第2項「 国は、すべての生活部面について、社会福祉社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない。」と定めており、この法律をもとに、国、都道府県、市町村などの公共団体や民間団体の組織的な活動によって公衆衛生活動が行われているが、中心的な役割を担うのが行政です。国民の健康生活権、国家の至上責務を表し、生存権について設定したものである。

3 公衆衛生活動の段階的活動

 公衆衛生活動は一般に、健康の増進を図って病気の発生を防ぐなどの特異的予防措置をとる一次予防、病気になった人をできるだけ早期発見し、早期治療を行い、病気の進行を抑え、病気が重篤にならないように努める二次予防、病気が進行した後の、後遺症治療、再発防止、機能の回復(リハビリテーション)、社会復帰などの対策を立て、実行する三次予防の3段階に分けて行われている。

4 公衆衛生の現状

 今日の日本においては、一般の人々の公衆衛生への関心が高まり、公衆衛生水準は向上し、様々の感染症は急速に減少し、年齢調整死亡率もきわめて低下し、平均寿命も著しく改善されている。しかし一方で、生活慣習病(がん(悪性新生物)、糖尿病、高血圧症)は依然増加し、ごみや廃棄物処理などの環境衛生にかかわる課題も多くなっている。また、健康寿命を延伸し、増大する社会保障費の抑制が求められている。

5 公衆衛生の内容

 公衆衛生の主な内容は、衛生行政疫病予防環境衛生保健衛生学校保健労働衛生などである。

画像